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よみがえる魂 [音楽]

沈黙が支配する宵闇の中で、夜間飛行の旅客機の音だけが、北風の轟音のように聞こえた。
宇宙科学研究所の窓から外を見ると、タツオ君がひとり、煙草をふかしながら空を見上げていた。赤や黄色のライトを点滅させながら、東の空へと飛び去ってゆく旅客機を、なんとなく眺めているのだった。タツオ君はよく夜空を見上げている。僕がやってくる前もそうだったように、今も。

今月になって、地球に来る宇宙船の中での心境を綴ったが、本当に、肉体をもつことの切なさは、地球のような星に固有のものだ。タツオ君のおばあさんのように長生きの人もいれば、短い命しか生きられない人もいる。往々にして、短命の人が、地球人離れした仕事をすることがあるのもまた、この星に独特な現象だ。彼らはなぜ逝ってしまうのだろうか。僕の故郷のかけがえのない友人、ロザリオが昔深く関わった、イエス=キリストという人がいたが、彼もまた短命であった。地球全土に影響を与えた、偉大な魂だった。

現在でも彼のような人間は、さまざまな場所でその命の火を燃やし続けている。だが、それが偉大なる魂であることに気づいている人は少ない。アーティストの中にも、短い一生のうちに凝縮してエネルギーをスパークさせた人たちは沢山いた。現代人は彼らを通じて何を思い、どう自己を変容させてゆくのだろうか。



こういったピュアーで偉大な魂を、何度でも人々の心の中に蘇らせるのは、僕の与えられた地球での任務だ。彼らが今も、あなたがたひとりひとりに手を差し伸べているのが見えるだろうか?彼らは死んではいない。魂はものの例えではなく、事実不滅だ。あなたがたが思えば彼らはもうそこにいて、触れ合うことさえできるのだ。

そう、目を閉じて…

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