暗黒の二年間 65 [音楽]
「まずは君に、この映像にある機械にかかってもらう」
そう言ってロザリオが指差したモニターには、歯科医院で使用するような、背もたれが大きく後ろに傾いた椅子が映っていた。
「痛いことをされるんじゃないだろうな」
「眠るだけで、何も感じないと思うよ。君は持ってきた本でも読んでいればいい」
ロザリオは笑った。
「随分簡単なのはいいけれど、どういう仕組みで、何をする機械なんだ?」
「だから眠る機械なんだよ。私の作業中に目覚めてもらっては困るから、言った通り仮死状態にはなるんだがね。いいかい、君がここに座るとこの上部にある透明な覆いが降りてくる。そして、ある物質が君を含めたこの内部を埋め尽くすんだ。すると君は組織の維持をその物質に任せて全身的な眠りに入ってしまう。すなわち心臓までもが停止するのだ。それでその後は、私が内なる身体で君の中に入る。幸い君は眠っているから私のもう一つの身体を見なくて済むわけだ」
「幸い?」タツオ君は聞き返した。無理もない。僕は僕らの本体がどのような形状をしているか、一切彼に語ったことはないのだから。
「気にしなくていいよ。言葉の彩と思ってくれたまえ」
「気になるだろう。ピーチは君らの外見が本当はどうかと言うことは全然教えてくれなかったんだ」
「そりゃあそうだろうね。禁則事項なのだから」
「なぜまた?」
「これは冗談抜きに、とても深い理由からだ。とにかく君が空想しているように、とても見られた姿じゃないから、というのではない。私たちは自分たちの形姿に誇りを持っているよ。ただね、いつか君たちはその目で私たちを見つけることになるんだよ、遅かれ、早かれね」
「黒猫じゃなくて?」
「そう。その時はもうこんな冗談みたいな身体は要らないんだ…」
そう言ってロザリオは遠い目をしてしばし沈黙した。
そう言ってロザリオが指差したモニターには、歯科医院で使用するような、背もたれが大きく後ろに傾いた椅子が映っていた。
「痛いことをされるんじゃないだろうな」
「眠るだけで、何も感じないと思うよ。君は持ってきた本でも読んでいればいい」
ロザリオは笑った。
「随分簡単なのはいいけれど、どういう仕組みで、何をする機械なんだ?」
「だから眠る機械なんだよ。私の作業中に目覚めてもらっては困るから、言った通り仮死状態にはなるんだがね。いいかい、君がここに座るとこの上部にある透明な覆いが降りてくる。そして、ある物質が君を含めたこの内部を埋め尽くすんだ。すると君は組織の維持をその物質に任せて全身的な眠りに入ってしまう。すなわち心臓までもが停止するのだ。それでその後は、私が内なる身体で君の中に入る。幸い君は眠っているから私のもう一つの身体を見なくて済むわけだ」
「幸い?」タツオ君は聞き返した。無理もない。僕は僕らの本体がどのような形状をしているか、一切彼に語ったことはないのだから。
「気にしなくていいよ。言葉の彩と思ってくれたまえ」
「気になるだろう。ピーチは君らの外見が本当はどうかと言うことは全然教えてくれなかったんだ」
「そりゃあそうだろうね。禁則事項なのだから」
「なぜまた?」
「これは冗談抜きに、とても深い理由からだ。とにかく君が空想しているように、とても見られた姿じゃないから、というのではない。私たちは自分たちの形姿に誇りを持っているよ。ただね、いつか君たちはその目で私たちを見つけることになるんだよ、遅かれ、早かれね」
「黒猫じゃなくて?」
「そう。その時はもうこんな冗談みたいな身体は要らないんだ…」
そう言ってロザリオは遠い目をしてしばし沈黙した。
大変遅くなりましたが・・・
あけましておめでとうございます。
本年も宜しく御願い致しますね^^
1/18の発売日が待ち遠しいな~^^
by カリメロ (2012-01-06 18:15)
★こちらこそ宜しくお願い致します。
すっかりお返事遅くなってごめんなさい。
そういえばもうすぐ発売ですね。何だかはずかしいくらいですけど…。
by peach (2012-01-16 11:39)