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雨音と時間 [絵画作品紹介]

また今年も梅雨と呼ばれる季節となった。
晴れ間が本当に少ない毎日が続いている。田んぼの多いこの山里では、蛙だけが元気で、あちらこちらで思い思いに、ばらばらな合唱をしていた。

休日のタツオ君は午後まで家で眠ったり、起きたりしていた。無理もない。仕事やら何やら、忙しすぎて、疲れ切っていたようだ。先日の日曜も、ボランティアで地区の家々の床下消毒をして丸一日走り回り、くたくたになっていた。今日ぐらいはただぼんやりとして、雨音を聞きながら過ごしても良いのではないだろうか。

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▲雨音


夜、雨はやんでいるが、空は雲で覆われている。さっきまで騒ぎまわっていたサキちゃんとサトくんも、もう眠くなったのか、おとなしくテレビを見ている。思えば初めて会ったときの二人は本当に小さかった。今ではサキちゃんなどもう大人だ。急に背が伸びて、マコさんに追いつきそうだ。靴のサイズなどマコさんよりも大きいのだそうだ。そしてタツオ君とマコさんは少し歳をとった。これが地球次元で言うところの、「時間」というものなのだ。時間の幻想は通常の地球人には、容易には打ち破れない。しかしタツオ君は、窓を開いた人だ。開いた窓から時間の外側を眺めている。あとはそこから出てゆくだけで、プラスワンの視点が加わる。そこからは時間軸のあらゆる瞬間が一望できる。その視点をもったとき人は人であることを超えるだろう。

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