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火球、そして祈り [絵画作品紹介]

静かな夜更けだ。この山里では、午前0時をまわれば、民家の明かりはすべて消され、本当の沈黙と闇があたりを包む。昼間はあれほどさかんに、奇妙な声で鳴いていた鶯たちも、きっと枝葉の陰で眠っているのだろう。庭の芝生は夜露で濡れている。春の夜は本当に静かだ。もうじき田んぼに水が入ると、夜も蛙の合唱でさわがしくなるのだろうが…。いつもは夜更かしのタツオ君までもが、近所の寄り合いでビールを相当のまされたらしく、もう寝ていた。空を見上げると、まばゆいばかりの月が、そこにあった。

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▲月のみやげ

6~7年前、僕はタツオ君からしきりにコンタクトを受け取っていた。当時タツオ君は一部上場企業の社員で、何不自由なく暮らしていたが、仕事にのめりこみすぎて、絵を描くことはおろか、ほとんど家におらず、家族をも顧みないような生活が続いていた。しかし深奥では強烈に創造的な魂を燃やしていた。そして生まれつきの霊能力で「進化した宇宙存在」を察知しており、しばしば体外離脱をしては、手探りで僕のところまでやって来ていた。実に巨大な魂だった。そして言った。「力をかしてくれ、僕の命とひきかえに、地球を天国に…!」

僕らは宇宙では、「沈黙の種族」と呼ばれている。タツオくんの祈りは本物だったが、僕らは通常、対話という形式でコミュニケーションしない。だからしばしば、まなざしだけを送った。やがてタツオくんのボルテージがマックスになったとき、僕たちは「OK!」の合図に地球に向かって石を投げた。それは当時東京地方で観測された火球となって、タツオ君の真上を流れ飛んだ。それを見たタツオくんはすべてを理解した。翌日会社に辞表を出し、アトリエにこもるようになった。そして数日後地球に着陸した僕がサキちゃんに発見された日も、別段驚くことなく受け入れたのだった。前述のような呼応関係が僕らの間にもともとあったためだ。

劇的なようだが、今もタツオ君一家の生活は平凡なものだ。ただ、僕がいつもそばにいるということ以外は。しかしタツオ君の祈りは今も変わらない。それはこのブログを読んでいるみなさんの祈りでもあるのではないだろうか?

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